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2008年 11月 25日
かつて、文化庁長官を務められた、河合隼雄先生が、「世に二つといいこと、さて、ないものよ」と云っておられました。これは、何事もいいとこ取りはできない、いいことには必ずその副作用がある。何かいいこと・いいものを得ようと思えば、必ずコストを払わねばならない等を含めて、広く二律背反(トレードオフ・・・・もう日本語として一般化していて、目下、ぴったりの使い易い日本語がないので、トレードオフという用語を使うことにします)の現象、一方をたてれば一方たたずの現象を指していると考えています。そして、世の中には多くのことが、このトレードオフの関係を含んでいると考えられます。
今、私の取り組んでいる重要な課題のひとつが、JR高架に伴う駅前広場、駅周辺の計画です。駅は通勤・通学者、観光客、食事・買物客、まち歩きを楽しむ人々等々、色々な目的をもって、老若男女、障害をお持ちの方、子供づれ等、多様な人々が往来する交通の結節点です。駅は、これ等の人々のために、安全で安心して、便利に風雨に煩わされず、容易に(ユニバーサルデザイン)往来できるものでなくてはなりません。また、駅に来る方法も、歩行、自転車、バス、タクシー、自家用車等の多様な手段があり、これ等の移動手段(交通)が、安全で安心できて(それぞれの交通の輻輳ができるだけ発生しない)便利(できるだけ円滑に短い移動で目的地に到達できる)でなければなりません。(機能の充実)。 一方、駅は姫路の顔であり、世界文化遺産姫路城と対峙しており、姫路らしい個性、安易に昔の伝統そのまま踏襲するのではなく、21世紀の市民の足跡(努力・工夫)を残す、今の時代の市民が我々の文化・創造として、次の世代に、伝えるものであること、その結果、今の時代の価値(環境・そして美しさ・景観)を誇りをもって次の世代に伝えるものであることが必要です。(美しさの追求)。 しかし、機能の充実と美しさの追求はトレードオフの部分が大きく、この2つのいいことのバランスを求めて、知恵と工夫の限りをつくさなければなりません。 また、駅は商業施設としても魅力的な条件を有しています。この商業施設が明るく、美しく、魅力的で、ここでの買物、食事等を市民がおもいっきり楽しむことができる施設であることが求められます。京都駅は、商業施設として大変魅力的であり、多くの人が色々な目的で楽しんでおられます。しかし、その一方で200mほど離れた近鉄デパートは苦しい経営を強いられ、商店街も少しさびれています。姫路駅及び駅周辺は、明るく、美しく、魅力的であってほしいが、それが、地元の商店街を圧迫し、経営を難しくするようなことは、あまり好ましくない。 このトレードオフをどう解決するかも大変困難な課題であります。もうひとつ、例をあげると、かつて姫路を訪れる多くの人が、「電車をおりると、真正面の駅ビルが視界をさえぎって、お城が見えない、世界文化遺産をもちながら、何をしているんだ」などよく云われました。 今回は、JRの駅ビルを、東へ動いてもらって、駅のホームから大手前通りのむこう真正面にお城が見えるように計画しましたが、多くの人が、「お城の方から駅が全然見えない、これは困る」といわれます。これもトレードオフです。 まちづくりにおいては、多様なトレードオフ関係を克服しなければなりません。一方だけからの視点に偏らず、両方のバランスに配慮しながら、慎重に望ましい解決案を導出すべく取り組んでいきます。
by himeji-mayor
| 2008-11-25 13:02
| 姫路のまちづくり
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